院長ブログ

  • HOME
  • 院長ブログ
  • (Page 2)
  • blog

    「新型コロナウイルスワクチン」効果と安全性は?

    今回は「新型コロナウイルスワクチン」の効果と安全性を海外のデータから分析してみます。(日本では接種が始まったばかりなので、まだ分析できるほどのデータがありません。)

    まず効果(有効性)は、なんと約70%(アストラゼネカ社)から約90%(ファイザー・モデルナ社)と報告がありました。インフルエンザワクチンの有効性が約40%~60%と言われていますので、これはとても良い、いや驚くほど良い有効性と言えます。

    では、安全性(副反応)はどうでしょうか?(薬では副作用と言いますが、ワクチン業界では副反応と呼びます。)その副反応は接種1回目より2回目に多く現れるので、2回目接種時に副反応が多く出た場合を想定すると、注射部位の痛み70%・だるさ60%・頭痛50%・筋肉痛40%・発熱20%くらいでした。しかし多くは軽症であり2~3日で回復していました。これはインフルエンザワクチンよりもやや多めで、1日ほど長く続いた印象になります。ちなみに、激しいアレルギー反応であるアナフィラキシーショックは約20万分の1で報告され、これも少しインフルエンザワクチンよりも多かったですが、一般の薬で起きる確率とほぼ同等でした。特別におそれる数値ではありませんが他のワクチンでもアナフィラキシーショックは起こり得るので、当診療所でもいざという時にためにアナフィラキシーショックを救う注射薬を用意しております。

    まとめ、今回の「新型コロナウイルスワクチン」は、インフルエンザワクチンよりも軽症の副反応は多かったですが、ほとんどが2~3日で回復していました。また、今のところ重大な副反応の報告も一般の薬と変わらない頻度でした。むしろ、効果(有効性)には驚かされるものがあり、期待する面も大きいワクチンだと感じました。もちろん、順番が来たら自分も接種する予定です(笑)。

    2021.03.07

  • blog

    「新型コロナウイルスワクチン」どんなワクチン?(アストラゼネカ社)

    前回、ファイザー社・モデルナ社のmRNAワクチンを紹介しましたが、日本にはもう一つアストラゼネカ社のワクチンも導入される予定です。このワクチンはウイルスベクターワクチンと呼ばれ、エボラワクチンでも実績のある方法で作られました。このワクチンは、なんと!チンパンジーアデノウイルスに新型コロナウイルスの遺伝情報(mRNA)を込み込んだ生ワクチンになります。接種されたチンパンジーアデノウイルスは体内で増殖し、新型コロナウイルスの一部分だけを作り出していきます。その一部分に対して体が免疫反応を起こし、抗体が産生されるのです。当然、チンパンジーアデノウイルスは人に感染しないことが分かっていますし、体内で作られるのは新型コロナウイルスそのものではなく、ある一部分だけですので安心してください。さらに接種された新型コロナウイルスの遺伝情報(mRNA)は体内に残ることなく消えて行くことも確認されています。決して遺伝子組み換え人間になることはありません。これは、前回のファイザー社・モデルナ社でも同じです。それでは、次回に効果や安全性について海外で分かってきたことを紹介していきます。お楽しみに。

    2021.03.01

  • blog

    「新型コロナウイルスワクチン」どんなワクチン?(ファイザー社・モデルナ社)

    現在、遺伝子工学の進歩からウイルスの遺伝子(DNA)構造さえ分かれば、そのコピーにあたるmRNA(メッセンジャー アール エヌ エー)を人工的につくる事が出来る時代になりました。人工的に作ったmRNAは大変壊れやすく熱に弱いので、脂質の膜に包んでマイナス何十度の世界で保管されます。今回、ファイザー社とモデルナ社は新型コロナウイルスのmRNAを作り出し、その一部を切り取ってワクチンとして製品化させました。実は昨年1月に新型コロナウイルスの遺伝子(DNA)構造は解明され、翌月にはワクチンの試作品が作られていましたので、今の技術をもってすれば1~2か月でmRNAワクチンを作る事ができる時代になったのです。もちろん、安全性や効果を確かめてから製品化はされます。それでも約1年で承認された今回のワクチンは信じられないスピードで完成した、驚くべきワクチンなのです。正直に言うと、1年でワクチンが作られたことに対し、私は映画を見ているような気分でした。気になる、効果・安全性についてはまた次回にしたいと思います。

    2021.02.22

TAGタグ

pagetop