もし新型コロナウイルス(デルタ株)に感染して重症化(呼吸困難など)しても、残念ながらその日のうちに入院できる病院は(8月19日現在)ありません。大田区では毎日コロナ陽性者が100~300人認められ、多くの方々は苦しくなっても自宅で入院できる順番をを待っている状況です。病院も整形外科や一般内科の部屋を減らして、コロナ専用の部屋をつくっていますが追いつかない状況です。ニュースで見かける酸素濃縮器(自宅で酸素吸入できるもの)もほぼ在庫が無くなってきています。残念ながら入院できずに自宅で亡くなる方もいらっしゃいます。未知のウイルスで人が亡くなる「映画」のような世界が現実に起こっています。そこで、ひとつだけ言える現実の話があります。それはワクチンです。ワクチンを2回接種して2週間たった方は、デルタ株に感染することはあっても、そのほとんどが重症化せず、ましてや命を落とす方は皆無であるという事実を我々は目の当たりにしています。色々な治療薬(抗体カクテル療法・イベルメクチンなど)も出てきましたが、現実的には診療所で注文してもすぐ使える状態にありません。ワクチンの副反応に対して不安を持つ方もいるかもしれませんが、副反応で亡くなる確率より、コロナ(デルタ株)に感染して亡くなる確率の方があまりにも高いと感じたのでお話しさせていただきました。

今回のまとめ。デルタ株は今までのコロナとは比べ物にならない強敵。ワクチンを2回接種して2週間たった人は、コロナ(デルタ株)に感染してもほとんど重症化していない、と言う現実がある。今、コロナ以外の大きな病気・ケガでも、入院できる病院を探すのにひと苦労。しばらくは「石橋をたたいても渡らない」くらいの気持ちで生活していく必要があるかもしれません。

池上幸仁診療所