今回のテーマはデルタ株の「③免疫逃避」です。これは、簡単に言うと「ワクチンで得た抗体が効かなくなること」を意味します。結論から言うと、現在ファイザー社ワクチンを2回接種した場合、デルタ株でも約88%の有効性があると論文で示されました。デルタ株以前の有効性は約95%だったので少し低下していますが、まだまだ有効性は十分と言えます。さらに、2回接種している人の入院率・死亡率も大幅に抑えられています。しかしワクチンが全て万能と言う報告ばかりではありません。例えば、早期にワクチン接種を終えたイスラエルでは今になってデルタ株の陽性者が増えています。この原因はワクチン効果が6か月を過ぎると弱まってしまうのか?それともマスクを解禁してコロナ以前の生活に戻した油断が原因なのか?非常に悩ましく思っています。

今回の結論。少なくとも現時点ではデルタ株にもワクチンは十分に有効。何より重症化を抑え、入院や死亡を回避できる期待あり。

 

池上幸仁診療所