今回は「新型コロナウイルスワクチン」の効果と安全性を海外のデータから分析してみます。(日本では接種が始まったばかりなので、まだ分析できるほどのデータがありません。)

まず効果(有効性)は、なんと約70%(アストラゼネカ社)から約90%(ファイザー・モデルナ社)と報告がありました。インフルエンザワクチンの有効性が約40%~60%と言われていますので、これはとても良い、いや驚くほど良い有効性と言えます。

では、安全性(副反応)はどうでしょうか?(薬では副作用と言いますが、ワクチン業界では副反応と呼びます。)その副反応は接種1回目より2回目に多く現れるので、2回目接種時に副反応が多く出た場合を想定すると、注射部位の痛み70%・だるさ60%・頭痛50%・筋肉痛40%・発熱20%くらいでした。しかし多くは軽症であり2~3日で回復していました。これはインフルエンザワクチンよりもやや多めで、1日ほど長く続いた印象になります。ちなみに、激しいアレルギー反応であるアナフィラキシーショックは約20万分の1で報告され、これも少しインフルエンザワクチンよりも多かったですが、一般の薬で起きる確率とほぼ同等でした。特別におそれる数値ではありませんが他のワクチンでもアナフィラキシーショックは起こり得るので、当診療所でもいざという時にためにアナフィラキシーショックを救う注射薬を用意しております。

まとめ、今回の「新型コロナウイルスワクチン」は、インフルエンザワクチンよりも軽症の副反応は多かったですが、ほとんどが2~3日で回復していました。また、今のところ重大な副反応の報告も一般の薬と変わらない頻度でした。むしろ、効果(有効性)には驚かされるものがあり、期待する面も大きいワクチンだと感じました。もちろん、順番が来たら自分も接種する予定です(笑)。

池上幸仁診療所